後藤 七未江 参段(忍野道場)
〜2023年3月5日取得〜


 この度は、参段へのお許しを頂きまして、有難うございました。

 大石範士より公認昇段審査会に挑戦してみないかとのお話を頂き、荒井先生からの強い後押しもあり 今回、挑戦させて頂くこととなりました。
 ですが、率直に 私が参段(先生になること)に挑戦して良いのだろうか。私にそれだけの価値があるのだろうか。 私は何のために闘うのだろうか。などと 様々な葛藤が自分の中でグルグルとしてしまい、ただただ逃げたいと思ってしまう毎日でした。

 昨年、12月の静岡県大会でのこと。 型試合の準決勝で負けてしまった私に大石範士は 『後藤さんの型はちゃんと自分のカタチが出来上がっているから、後藤さんは後藤さんの型をすればいいんだよ。』と、仰ってくださいました。若い後輩たちがぐんぐん成長する中、なかなか勝ち上がれず、試合に出ることさえもしんどさを感じていた私にとっては、何よりも嬉しい言葉でした。

 審査会の日が近づき、荒井先生の稽古はよりきつくなりました。 いつ終わるか分からない5本蹴り、インターバル10秒もないビックミット20ラウンドなど。審査会当日の組手も鬼でした。当初、『絶対にやりたくありません。』と言って反発した私を、それでも信じてくださったこと。今は感謝しています。

 改めて振り返ってみると、公認審査会当日。今まで悩んでいたことが嘘のように気持ちが真っ新で、ただ目の前のことに必死な自分がいました。とにかく、今の自分を全部出し切ろう。それだけでした。
 もちろんこれからは先生と呼ばれる立場になり、より黒帯としての自覚を持たなければならないのですが この日のような、ただ真っ直ぐに空手と向き合う自分を忘れずに大切にしていきたいと思います。

 最後に、私がこの公認昇段審査会という場所に立てたのは 大石範士を始め、指導してくださる先生・先輩方、一緒に稽古してきた後輩たち、練習に付き合ってくれた後輩や仲間たち、励ましの声を掛けてくださった沢山の方々、そしていつも見守ってくれる家族。沢山の方々の支えがあったからだと思っています。これからもきっと、いっぱい悩んで逃げてしまいたくなることもあるかもしれません。それでも成長したいと思える自分がいてくれたら、きっともっと違う自分になれるような気がしています。私は私らしく、今後も精進していきたいと思います。

 押忍