岩田 圭太 初段(静岡南道場)
〜2012年3月25日取得〜


 自分が静岡南道場に入門したのは幼稚園の年長の春頃でした。その頃の自分は同級生 の一人にいつも泣かされていました。喧嘩をしてもすぐ泣いて、勝てた記憶なんても のはありません。それを知った母親が自分を強くするために、静岡南道場へ連れて 行ったのが、自分が極真空手に入るきっかけでした。自分もこれで強くなれると最初 は思っていました。
しかし、実際に稽古をしてみると、思っていたよりも辛く、すぐに辞めたくなりまし た。
それでも母親は自分を道場に連れて行きました。自分を強くするために。しかし自分 は稽古が嫌で嫌で仕方ありませんでした。時には大泣きをして母親を困らせる程でし た。しかしいくら泣いても無駄なような気がして、仕方なくではありますが、稽古に 参加だけはしていました。当然、真剣になんて稽古はしていませんでしたから、自由 師範から注意をされることも日常茶飯事でした。おそらくですが、自由師範に一番怒 られた道場生は自分ではないのかなと思っています。そのような中で試合に出ても勝 てるはずはなく、余計に空手が嫌いになっていきました。より一層、空手を辞めたい という気持ちが強くなっていきました。このような気持ちで幼稚園、小学校時代は過 ごしていました。

 中学生になり、部活をするようになり、これでやっと空手を辞めることができると 思っていたのですが、この頃に妹が入門してしまい、結局辞めることができなくなっ てしまいました。部活が終わり、家に帰り、すぐに道場へ行かされる生活が始まりま した。妹が試合に出るため、当然自分も出なくてはなりませんでした。そのうち、妹 が入賞するようになり、少し焦りと悔しさを感じ始めました。この頃から自分の空手 への意識が変わり始めました。しかし、さぼりたいという気持ちと稽古しなくてはい けないという気持ちが入り混じっていました。そんな中にずっと一緒に稽古してきた 仲間がいたことと、自由師範の「本当の強さは中学になって続けていればきっと分か るから。」という言葉があったので、辞めたいという気持ちはなくなっていました。 そして、その言葉通り、中学生頃から徐々に試合でも勝てるようになってきました。 そうして空手が楽しく感じるようになっていきました。正直、部活と空手と勉強の両 立は想像以上に大変でした。しかし、中学三年生の頃には空手が無い生活なんて考え られない程自分は道場と空手が好きになっていました。

 高校生になっても空手が好きな気持ちは変わりませんでした。なので高校でも空手 を続けていくことを決めました。部活は文科系の部活に入ったので、中学の頃程空手 を続けるのが大変ではありませんが、勉強や生徒会活動に時間を取られ、稽古に間に 合わないことも多いのが自分自身にとって歯がゆさがあります。そのような状況の中 でも自由師範から「遅れてでも稽古に来ればいい。」と言葉をかけてもらい、今でも 空手を続けることができています。以前から自由師範から「諦めずに続けていれば、 必ず結果はついてくるから。」と言われていたので、その言葉を信じて空手を続けて 良かったと本当に思っています。

そして今回、黒帯の審査を受けさせてもらうまできました。ここまで来ることは決し て一人ではできないことでした。大石最高師範、自由師範、師範・先生方々、多くの 先輩方々、そして道場の仲間たち、両親、妹、道場の保護者の方々には本当にお世話 になりました。皆様の支えがあってのことだと思っています。本当に感謝していま す。ありがとうございました。

これからは極真の黒帯を締めさせていただくことになるので、今まで以上に気を引き 締めて前向きに稽古に取り組んでいきたいと思います。
これからも皆様、よろしくお願いいたします。

押 忍