この度、昇段審査を受けさせていただきありがとうございました。
この機会を与えてくださった大石師範、函南道場の高橋先生に心より御礼を申し上げます。
平成6年6月に入門してから13年が過ぎました。
「空手バカ一代」世代の私にとっては、人生念願の入門であり、苦しい稽古にも空手を学べる喜びを感じながら年月が過ぎていきました。
しかしながら、道場の後輩や同じ時期に入門した他の道場の方々が黒帯に挑戦し、険しい道を突破していく姿を見ながら自分だけは
技能が思うように身につかず、悔しい思いがしました。今回の審査は、私の人生において絶対置いていってはいけないものを手にしたと
いう気持ちでいっぱいです。
と申しますのは、私は13年間のうち、1年5ヶ月休館をし、再び復帰させていただいて現在に至っているからなのです。
修業の厳しさ辛さに負け、仕事の忙しさを理由に休館しました。極真空手を捨てたくはないと思いつつそこから逃げた自分がいました。
いつか道着を着て、汗を流したいと思う中仕事中心の生活が続く間に後輩の大会での活躍を耳にしたり、いろいろな方々の励ましの
お言葉もいただいたりして再び復帰することができました。
大石師範に久しぶりにお会いしたとき、かけていただいた「あせることはないですよ。ゆっくり、じっくりやっていってください。」
のお言葉は一生わすれません。極真空手を生涯にわたり全うしていこうと決心しました。昇段審査は、基本・移動・型そして組手と
どれも満足のいくものではありませんせしたが、気合だけは審査を受けている人の中でいちばん出そう、そして苦しいときに苦しい顔を
しないようにしよう、このふたつだけは肝に命じ、何とか終えることができました。今回の昇段は、極真空手を継承伝承する任務を
やっと与えられたと思っています。私は「もっと稽古して本物の黒帯になりなさい」という大石師範のお教えだと考え、これから先、
一層精進していく次第でおります。そして、極真空手を正しく伝えられるよう、極真空手の黒帯として、その名に恥じない人間に
なるよう努力していきたいと思います。最後に、高橋先生を始め、藤田、久保田両先輩、道場生の皆様、そして他にも私を指導して下さった
先生、先輩方、本当にありがとうございました。これからも宜しくお願いします。
押 忍
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