『極真空手 水曜日 19:00〜 見学自由』、今からちょうど6年前に子供が通う幼稚園に貼られていたポスターが
偶然目にとまりました。当時。勤務先で水曜日が完全定時帰宅日に指定された直後で、空いた時間に何か
新しいことをしたいと考えていた自分に訴えかけているようにも思え、その瞬間に強く興味を持ちました。
しかしながら極真空手と言えば、とても生半可な気持ちでは稽古についていけない激しく厳しい印象がありましたので、
本当に恐る恐る見学に行きました。一般部の先輩のたくましい体格を見て、“やっぱり・・・”と一瞬ひるみつつも、
元気に稽古している少年部の子ども達の姿に励まされ、『今42歳ですが、大丈夫でしょうか?健康のために少しやってみたいの
ですが・・・?』と責任者の尾高先生に話をさせていただきました。
『無理をせず、自分のペースでやっていけば良いですよ』という暖かいアドバイスを受け、その後、数回の体験入門を経て、
正式入門させていただきました。ダブダブの真新しい道着を着て、少年部の後ろで不器用に体を動かし・・・、1回の稽古で
それまでの半年分くらいの汗をかく大変な定時帰宅日がスタートしました。
学生時代には、サッカーをやり毎日のようにグラウンドを走りまわっていましたが、就職後は運動量も減り、20年近く
放置された体にとって、稽古に慣れるまでやはり大変でした。それでも思いっきり体を動かした後の疲労感と大量の汗を
流した後の爽快感がやがて充実感へと変わり、空手に没頭するようになり、出稽古にも足を運ぶようになりました。
また、試合に出るようになると、負けず嫌いな性格が刺激され、さらに拍車がかかり、同年代の方々を中心に、多くの方と
対戦させていただきました。時には高段者の方々、また数回ですが一般のトーナメントで若い方達とも対戦させていただき、
勝った喜びや負けた悔しさを味わいつつ、その都度、貴重な体験を積み重ねることができました。またそれにより、道場の
枠を超えて、多くの方々と顔を合わせる度にお互いを励まし合うような関係も築くことができました。時々、怪我をしたり、
中だるみな気持ちになったりしても、稽古をともにしている少年部が歯を食いしばって頑張る姿、自分より大きな相手に
果敢に向かっていく姿に励まされ、幸いにもこれまで空手から気持ちが離れることはありませんでした。
極真空手は、厳しい自己の修練であるのと同時に、多くの同志の方達と本当に身も心もダイレクトに触れ合い、切磋琢磨
できるすばらしい武道だと実感しております。
この度、一つの節目として公認審査を経て、初段に昇段できたことは私にとって、本当にうれしいことです。しかし
ながら、私の空手の経験はまだまだ浅く、今後さらに空いている引き出しに少しでも多くの技術や技、型を詰め込み、
また強い心を築いていきたいと思います。
常に極真空手という武道の本質を基本の技術や心構えとともにご指導くださる大石最高師範、この6年間、本当に
何もわからないところから一つ一つ丁寧に教えて下さり、繰り返し基本の大切さを伝えて下さる尾高先生をはじめ、
諸先生方、先輩方、道場の仲間、ご父兄の皆さん、そして家族・・・多くの方々からこれまでにいただいたご支援に
心より感謝し、また共に培ってきた『絆』を大切にしつつ、これからは、自分が少年時代に憧れた極真空手の黒帯に
少しでも近づけるよう、取り組んでいきます。
そして極真空手のすばらしさを後輩の方々を含め、多くの方々に伝えていきたいと思っております。
押 忍
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