私が極真空手を始めたのは、今から7年半前のことでした。運動不足解消の為という軽い気持ちで入門した私には、稽古はかなりハードなもので、付いていくのがやっとでした。初めて先輩方の組手を見た時には、驚きを通り越して恐怖さえ覚えました。それでも、自分で始めた事でしたので、休まず道場へ通いましたが、帯が上がるにつれ組手も激しさを増し、足を引きずり家へ帰る日々が、長い期間続きました。
ある時、稽古終了後に帰宅して入浴していた私は、足も痛めず、体にも殆どアザが無い事に気付きました。知らないうちに強くなっていたんだと知り、その日からとても稽古が楽しみになり、それまでの重い足取りで稽古へ向かった日々が、嘘の様になりました。人は、気持ち一つで簡単に変われるものなのだと、自分でも実感しました。
その後、稽古を続けていくうちに、緑帯・茶帯となることができ、徐々に指導の補助をさせてもらえるようになりました。指導する立場になると、指導する事の難しさを知ると共に、準指導員としての責任感が生まれました。そして、入門した頃には夢にも見なかった黒帯に挑戦する決意をしました。
夏季審査会で型の審査に挑み1級に昇級し、冬季審査会での十人組手に向けて、少しずつ体を作っていきました。道場では、組手や息上げを、先輩方や道場生に手伝っていただき、稽古が終わってからは、持久力を付ける為、ロードワークをしました。それでも時々不安になり、仕事中も十人組手の事が頭を過ぎりました。不安を消すには、とにかく稽古して自信を付けるしか方法はないと、自分自身に言い聞かせて頑張りました。
そして臨んだ本番当日、苦しい十人組手でしたが、何とか完遂できました。大石師範と握手させていただいた時には、一つの夢が叶い、感無量でした。その後、多くの先輩方に胴上げしていただき、二重の喜びでした。
今回、昇段を許可されましたが、大石師範よりホームページ内で頂きました「流した汗は決して自分を裏切らない」という言葉を胸に、黒帯に相応しい人間になるように、日々精進していきたいと思います。
最後になりますが、今までご指導下さいました先輩方、応援してくださった道場生・父兄の皆様、家族のみんな、本当にありがとうございました。そして、十人組手という貴重な経験の場を与えてくださった大石師範に心より御礼申し上げます。
押忍
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