この度、昇段審査をいう試練を与えて下さった、大石師範、田原先生に、感謝と御礼の気持ちを、この場をお借りして申し上げたいと思います。
入門してから、あっという間の11年でした。入門したばかりの頃は、稽古には全然着いて行けず、組手に関しては、怖い思いばかりしていました。それでも一年が過ぎた頃、やっとの思いで黄帯を頂きました。その頃は体重が49kgだったのですが、ウエイトトレーニングを始め、茶帯の頃には59kgまで増えました。自分の中では、絶対に打ち負けない体を作りたかったのです。十人組手の練習の時も沢山の人に支えてもらい、そして、十人組手当日も皆さんの御陰で完遂する事が出来、黒帯を締める事を師範、田原先生に許して頂きました。そして三年が過ぎた頃、先生から「来年、昇段審査に挑戦してみますか」と御言葉を頂きました。弐段挑戦という喜びよりも、「自分には、二十人組手は絶対無理」と思っていました。でも、先生の御言葉ですし、絶対先生の期待に応えなければいけないと思い、「押忍。頑張ります」と答えました。
1月から練習を始めましたが、恥ずかしい事ですが、その頃の体重は十人組手の時よりも増えていました。1月から5月くらいまでは、ただただ走り込みと基礎体力を中心に練習をしていました。やっとの思いで、6月の『チャレンジカップ富士』の頃には、体重が7kgくらい落ちていました。
1月から10月の審査までの間、湯河原の後輩の石岡君、菅原君、高柳君が常に練習に付き合ってくれていました。私が「チャレンジカップに出場する」と言ったところ、その三名も「自分も試合に出場します。一緒に頑張りましょう」と言ってくれました。
私は、胸が熱くなる思いでした。一年近くも、人の為にミットを持ってくれたり、深夜二時近くまで練習に付き合うという事が、果たして私にも出来るだろうかと思いました。後輩三人を通して、奉仕の精神、仲間意識というものを学んだ様に思います。私はまだまだ微力ですが、後輩の皆さんが一つの壁に立った時、必死になって力になりたいと思います。
この一年というのは、先生からいろんなアドバイスを頂き、湯河原に帰ってそれを練習し、また御殿場に行き、「まだまだ足りない」と先生にご指導頂き、また帰って練習をするという毎日でした。大変辛い十ヶ月間でしたが、私にとって大変貴重な年だったと思います。ただただ、先生の期待に応えなければいけない。師範、事務局長、田原先生に「良く頑張った」とお言葉を頂きたいと、それだけでした。御殿場、湯河原の先輩、後輩の皆さん、何よりも、先生が本気になって指導して頂いたお陰で、心が折れなかった様に思います。そして最後の胴上げの後、先生から「よく頑張った」とお言葉を頂いた瞬間、すべてが報われた気持ちになりました。自分は十ヶ月の間、この一瞬の為に頑張って来たのだなと、目頭が熱くなりました。
主審の鍋田先生にも、大変後押しをして頂き、勇気づけられました。本当に有難うございました。
最後に、昇段を許して頂いた、師範、事務局長、田原先生、各責任者の先生方、本当に有難うございました。大石道場の弐段を汚さぬ様、これからももっと努力精進し、一人でも多くの後輩の皆さんが、あの素晴らしい胴上げの瞬間を体験出来る様、微力ながら指導して行きたいと思います。
有難うございました。
押忍
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